新・大阪的住まい方

建築家の妻

2006年04月09日 12:08


「plug」(プラグ) 「季刊プラグ」というフリーペーパーを目にしたことがありますか?

 大阪府 立現代美術センターと 大阪 大学コミュニケーションデザイン・センターが発行している無料のマガジンです。

その「季刊プラグ」№2 「新・大阪的 住まい方」 というタイトルで特集を組んでいました。
それについて取材・監修された「plug」の編集部の方のコメントが掲載されていますので紹介いたします。


多くの人にとって 「家」 は家族や友人、あるいは一人で思い思いの時を過ごすプライベートな場所。その 「家」を普通とはちょっと違う使い方をしている人たちがいる。プライベートな空間であるはずの 「家」とパブリックな空間との境界を曖昧にしたり、混在させ、変形させたりしながら、彼らが求めているのは、独自の暮らしやすさや新しいネットワークの可能性だ。私たちが当然のように 「家」に求める快適さや密室性に疑問符を投げかける彼らのアクションは、環境に縛られ縮こまってしまった私たちの身体や思考に、のびのびとした解放感や、当たり前を飛び越えてみる力を与えてくれる。

このプラグに掲載されている方の中で、私がうらやましいと思った住み方をされている方を紹介します。
地下鉄谷町線「大日駅」の近くに昭和の面影を残す長屋に作家の木崎公隆さんが住まれておられます。木崎さんは、この長屋を10軒ほど借り受け、映像作家やギター職人など入居者メンバーのニーズに合わせて長屋を工作室や倉庫、サロンに改造。その際には入居者の代表管理人として大家さんとねばりづよく交渉を行いながら、暮らし方に沿ったスペースづくりを進めているそうです。
そして、「今、ここでしか経験できないこと」として、七輪で魚を焼いたり、外国人アーティストを長期滞在させたりと「楽しいこと」の追求に貪欲。
しかし、その反面、厳しい現実に直面する事もあります。
*古い家屋ゆえの厳しい住環境
*いつ取り壊されるか分からないという可能性
*共同生活のルールづくり
*長屋の他の住人との調整など
木崎さんはこれらの課題を一手に引き受けながらも、若きアーティストたちへの将来への飛躍を思い、「暮らし方」「住まい」と丸ごと取っ組み合い、素材にしてしまう姿勢は不器用であるが、たくましく、しなやかだと取材された方は記述されていました。

大阪府立現代美術センター

大阪府のプレスリリース『PLUG』創刊について

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